業務改善・効率化2019.03.15
皆さんは、『CRM』『SFA』という言葉を知っていますか?
最近では導入している企業も増えてきており、「言葉は知っている」という人も多くなっていますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
今回は、「CRM」「SFA」とは何か、そしてそれぞれの役割とは何かを、改めて考えてみましょう。
CRMとは、Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の頭文字をとった言葉です。日本語では、「顧客関係管理」などと訳されます。
文字通りCRMは、顧客に関わる情報を適切に管理することが基本的な機能となります。そして、その管理された情報を分析して活用し、個々の顧客に合わせた情報発信や的確な対応を行うことで顧客満足度の向上に繋げます。本来、顧客関係管理は一つのマネジメント手法でしたが、現在ではITを活用して実現する「顧客関係管理システム」としての意味合いが強くなってきております。
SFAとは、Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)の頭文字をとった言葉で、日本語では、多くの場合は「営業支援システム」という言葉に訳されます。
SFAは、営業活動に関する情報を一元管理し、社内・チーム内でそれらの情報を共有することで、営業活動の“見える化”を行うものです。そして、“見える化”を実現することで、営業活動で得た情報が属人化するのを防ぐことが出来ます。
また、SFAを活用することで、営業のノウハウや営業活動のプロセスも共有することができるので、社内全体の営業プロセスの標準化にもつなげることが出来ます。
さて、先ほど、CRMは顧客に関わる情報の管理を行うことが基本的な機能であるとお話ししましたが、ここで少し疑問を持った人がいるかもしれません。
それは、「顧客に関する情報なら、自分の会社でも既にきちんとデータベース化して管理出来ているけれど、これはCRMと何が違うの?」という疑問です。
しかし、そのデータベース化された顧客情報は、基本情報や購入履歴など限られた情報のみの管理になっていませんか?もしそうであれば、それはCRMとは少し異なります。
CRMの導入によって管理される顧客情報とは、顧客に関わるもっと幅広い情報のことを指します。例えば、顧客がサービスや商品を購入した目的や、購入に至った経緯、また顧客の予算状況や今後の利用拡大の見込みなどです。
そのような顧客関係に関わる情報から顧客の興味関心を分析し、その分析結果を活用することで、顧客に適した対応や情報の発信、営業戦略を立て、顧客との関係を最適化していく。それがCRMの役割と言えます。
それでは、SFAはどのような役割を担っているのでしょうか。
先述した通り、SFAは「営業活動を支援するシステム」です。簡単に言ってしまえば、それがそのままSFAの役割ということになります。
もう少し具体的に考えてみましょう。
例えば、営業会議の中で、「今の見込顧客はどのくらいいるのか?」や「●●というお客様の受注確度はどのくらいか?」などのように、営業パーソン一人一人の営業活動の状況を、営業マネージャーが確認する場面を思い出してみてください。
その営業マネージャーからの質問に営業パーソンはそれぞれ答えますが、この時、全員が同じ基準を持って答えているとは限りません。ほとんどの場合、個人の基準や感覚の下に答えており、その答えは人によって正確性がバラバラです。これでは、正確な受注の見通しや営業活動の状況が見えづらく、会社としても経営計画や経営戦略を立てにくくなってしまいます。
そこでSFAを導入し、営業活動に関する項目の入力や細かな営業プロセスの管理などを行うことで、統一した基準の下で営業活動の状況を的確に管理出来るようにするのです。
このような、「営業活動のプロセス管理」と呼ばれるものは、経営者・マネージャー層にとって今後の戦略を考える上で有益な仕組みといえます。一方、営業パーソンにとっても、基準の統一化により営業活動の各ステップでやるべきことが明確になり、効率的に営業活動を進めることが出来るようになるため有益な仕組みとなります。
また、情報の一元管理により社内で広く情報を共有することが出来るので、個人ではなく社内・チーム全体で協力して営業活動を進めることができるようになります。このことも、SFAを活用することで会社の営業力を最大化する効果の一つと言えます。
今回は、CRMとSFAについて、それぞれの基本的な意味や役割を説明してきました。
別々に説明しましたが、実は両者は密接に関わり合っています。そのため、CRMとSFAの両方を導入することで、より効率的かつ効果的に営業活動や顧客関係の管理を行う仕組み作りにつながる例も多くあります。この点については、また今後ご紹介いたします。
さて次回は、「CRM」についてさらに深く掘り下げてみます。
「CRMを導入することで実現できること」などについても触れますので、お客様の状況を思い浮かべ、当てはめながら一緒にCRMについて考えてみましょう。